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2018年度 関西大学入試問題<国語>全体講評

[記事公開日]2018/09/27[最終更新日]2019/07/01

カテゴリ:

●関西大学 全体講評(国語)

少し特殊な出題方法

関西大学では、現代文・古文を通じて、傍線をつけて設間の箇所を明示することなく、内容に関する問いを出している。
これは、いたずらに問いを難しくするためのものではない。
問いを順に解くことによって、現代文は、文章の主題を正しく捉えることができるようにしたものであり、古文については、文章の展開が正しく理解できるようにしたものであって、いずれも、普段からこのような問題意識をもって読んでほしいという出題者からのメッセージが込められたものである。

解いていくと…

したがって、正答の選択肢を連ねると、現代文の場合には、文章全体を要約したものと近くなり、古文の場合には梗概のようになっている。
つまり、関西大学の出題形式は、文章を正しく理解しているかどうかを見るのに不可欠なのである。このような本学の考え方は、受験生や関係各位にも次第に浸透しているようである。
出題者は、現代文と古文を合わせて平均6割台の得点率になることを目安に問題を作成しているが、近年得点率が上昇傾向にあるので、関西大学の出題形式への対応が進んでいるものと思われる。

現代文は例年やや長い文章を出題している。

内容はさまざまな分野にわたっているので、日頃から多くの文章に接するようにするとともに、文章を精読することにより、読解力を養っておくことが必要である。
また、現代の私たちに身近な問題や世界的に重要なテーマについては、常に問題意識をもっていることが大切であろう。

現代文の出題傾向

現代文においては、基本的には評論を取り上げた。
また、マークセンス方式の問いではすべて内容把握の問題を出題した。
受験生の読解力を見ることを重視したためである。
また、一部の試験では、記述式の内容把握の問題を1~2題出題した。
ここでは、間題文の内容を正しく理解するとともに、設問に対して指定された字数の中で自分の考えを的確に表現できるようにすることが必要である。

関西大学の現代文の問題では…

問題文をほぼ原文のままの形で示すようにしている。
問題文の表題、小見出しや出典名も明示するようにしている(設問の都合により小見出しを削除する場合もある)。
それらは文章の内容を端的に表したものであって、論旨を正確につかむための重要な手がかりとなるものだからである。
問題文を読む場合には、これを単なる小見出しや出典名と見ないで、本論の内容と比べあわせることによって問題文を正しく理解してほしい。

近年関西大学では、他大学の問題によく見られる、いわゆる空欄補充の問題を出していない。
これは、空欄補充の問題では受験生の実力を測ることはできないと考えているためではない。
それどころか、最も短い形式で、受験生の実力を測るのに適した設問であると考えている。
では、なぜそれを出題しないのか。
それは、問題文や注などから知りうるすべてを参考にしながら、設問を手がかりとして問題文を理解してもらいたいからである。
本学で最も重視し、また工夫しているのは、文章をどのようにして正しく読み解くかということなのである。

センターと似たような問題も

その他、現代文の問題文中にある漢字を用いて、センター試験で行われているものと同じ形式の語彙の問題を出題している。
本学では、一部の試験に記述式の書き取り問題があるが、それとは別に、マークセンス方式で語彙力を見るために出題しているものである。
そのために、通常の書き取りの問題とは違って、個々の漢字としてはやさしい漢字も出題しているが、それらを熟語の形で問うことによって、語彙力を試すものとなっている。
出題した漢字は、問いの漢字も、選択肢の漢字もほぼ常用漢字の範囲である。
それらの問題の中には、よくできている解答も多かったが、正答率が極端に低いものもあり、受験生の語彙力の差が表れている。
こうした語彙力は一朝一夕に身につくものではない。日頃の読書の蓄積によって語彙力を身につけるようにしてほしい。

古文においては…

例年、平安時代の物語やそれを受けついだ擬古物語を中心として出題していたが、ここ数年は中世近世の作品も出題するようになった。
2018年度入試は、中世の説話と近世の浮世草紙から二問出題した。
教科書によって古文の内容が違うことによる不公平をなくすために、高校の授業中に取り上げられるような作品はあまり出題していないが、本学の問題では、リード文や注をスペースの許す限り詳しくしているほか、問題文中にも注記をするなどして、特別な知識がなくても、日常の学習の積み重ねによって身についた読解力で十分解くことができるようにしている。

2018年度入試は、『土佐日記』と『枕草子』とで…

全体が一つのストーリーとはなっていないものを出題したため、受験生は苦戦したようである。
古文を読み解くには、古文の基本語彙、文法的知識、文脈把握の力、歴史的な知識などが必要であることは言うまでもないが、本学のマークセンス方式の問題では、むしろそれらを直接問う形をとらずに、それらに基づいて内容が正しく理解されているかどうかを見る設問の形で出題し、受験生の読解力を見るようにしている。
そのために、受験生の実力がはっきり表れ、概して正答率は低くなっている。
古文の重要語句や文法の基礎知識の習得は言うまでもないが、それだけにとどまらず、それらに基づいて文章を精読する習慣をつけるようにしてほしい。
一方、多くの古典に接することによって、古文特有の表現に慣れ、作品を理解する力を高めることも必要である。


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