大学受験と奨学金について

奨学金について

奨学金の種類や、奨学金と教育ローンの違いについて説明しています。奨学金を借りたいと思っている方は是非参考にして下さい。

目次

奨学金とは?

奨学金とは、勉強する意欲や能力がある学生に対して、経済的なサポートをする制度です。2015年時点で、大学生、短大生、専門学校生の、それぞれ全体の2.6人、2.2人、2.5人に一人が奨学金制度の代表である日本学生支援機構の奨学金を利用しています。身近な存在になりつつある奨学金ですが、みなさんはどのくらい仕組みを知っているでしょうか?上手に利用すれば大学生活の強い味方になってくれる奨学金制度の仕組みを解説します。

奨学金の種類

種類は3つあります。

借りるタイプ(貸与型)
返さなくてよいタイプ(給付型)
条件を満たせば返さなくてよいタイプ(特殊型)

さて、この3つのタイプにはどのような特徴があるのでしょうか?

借りるタイプ(貸与型)

奨学金の多くはこの「借りるタイプ」です。在学中に分割で支給され、卒業後、長い年月をかけて借りた奨学金を返していくのが基本となります。なお、「借りるタイプ」の中でも、返済時に利子がかかるものと、かからないものがありますので確認しておきましょう。

「借りるタイプ」の主な運営団体・機関は、以下のようなところです。

・日本学生支援機構(国による奨学金制度、国内最大)
・各都道府県、市区町村
・国公立、私立の個々の大学、短大、専門学校
・民間等の育英団体(企業、個人、その他)

返さなくてよいタイプ(給付型)

奨学金を返す必要がない、つまりもらうことのできる奨学金制度です。2017年度から国による奨学金制度(日本学生支援機構)でも、この「返さなくてよいタイプ」が実施され始めました。しかし、日本ではまだ「借りるタイプ」が多く、この「かえさなくてよいタイプ」を利用するには、学力と家計における厳しい条件をクリアしなくてはいけません。

「かえさなくてよいタイプ」の主な運営団体・機関は、「借りるタイプ」と変わりません。しかし、各学校において、成績優秀者や経済的に困っている学生のために授業料を免除する制度を実施しているところも多いので、自分が希望する進学先のホームページ等を確認してみましょう。また、「生活福祉資金」や「母子寡婦福祉資金」など、様々な理由で生活が困窮している家庭の子どもに対する奨学金制度などもあり、これらは利子のかからないものとなっています。他にも、大手新聞社が運営している、朝・夕刊などを配達することで給与を貰い、それを学費や生活費に当てるという奨学金制度もあります。気になる方は各新聞社のホームページをチェックしてみてください。

条件を満たせば返さなくてよいタイプ(特殊型)

本来は「借りるタイプ」ですが、卒業後、ある一定の条件を満たせば返済が免除される奨学金です。これは、医師や看護師、社会福祉士、介護福祉士などを養成する学校や学部の学生を対象としたものが多くなっています。条件というのは、各学校に在学中に奨学金を受けた学生で、卒業後、国家試験に合格したあと、奨学金を支給した団体や自治体などが指定する病院などで一定期間働けば、奨学金の返済が免除される、というようなもの。このような進路を考えている方は、ぜひ自分の進む学校や住んでいる自治体、近隣の医療法人などで、どのような奨学金制度があるかを調べてみてください。中でも看護師を目指す人に向けた奨学金は都道府県ごとに数多く、利用できる可能性も高くなっています。

「条件を満たせば返さなくてよいタイプ」の主な運営団体・機関は、以下のようなところです。

・各都道府県・市区町村
・国公立、私立の個々の大学、短大、専門学校
・病院等の各種医療法人

奨学金と教育ローン、この違いはなに?

借りるタイプの奨学金教育ローン
利用する人学生本人保護者など
収入の基準など保護者の収入が一定額以下保護者の収入が一定以上
支給される時期在学中、月ごと契約が成立したら一括で
返す時期卒業後借りた翌月から

進学の際は入学を決めた時点で、各学校に納める入学金や授業料などで、進学先によって大きく異なりますが、数十万から百万単位というまとまったお金が必要になります。また、実家を離れて学生生活を送る人はアパートやマンションを借りる必要もあります。そのようなお金をまかなってくれるのが「教育ローン」です。奨学金は入学後、月々一定額が振り込まれるのが一般的ですが、教育ローンは契約が成立次第まとまった金額が振り込まれます。そのため、入学前にかかる諸費用に教育ローン、入学後の生活費に各種奨学金を利用しましょう。

教育ローンは大手銀行などの各種金融機関によって実施されています。たとえば、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」の場合、ホームページからでも申込みができ、審査が通れば申込み完了日から約20日間でお金が振り込まれます。また、進学先が決まっていなくても申込めるうえに、万が一の場合はキャンセルすることもできます。しかし、教育ローンも借金ですので、慎重に、借りすぎないように注意しましょう。

【返済例:100万円を借り入れた場合】
(※年利1.81%の固定金利で計算)
返済期間 10年間
毎月の返済額 9,200円
返済総額=1,093,200円

出典
蛍雪時代2017年6月臨時増刊号

学長ブログ

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