大学の推薦入試が間もなく始まる。来春の私立大の一般入試は定員管理の厳格化により、一層の難化が見込まれるので、推薦やAOを有効活用したい。推薦・AO入試は、早く合格が決まることが特徴だが、そこにはメリットとデメリットが共存する。
推薦入試やAO入試は原則として、合格したら入学を確約する専願制だが、中には他大学との併願を認める大学もある。
専願制と併願制の二つの制度の活用法は次のように考える必要がある。
■専願制の大学への出願は、その大学・学部・学科に本当に行きたい場合だけ。合格して、通学しだしてから後悔することもよくあるので、迷っているのならよく考える必要がある。
■併願を認める大学は複数受験が可能で、合格した後に改めて大学について深く調べたり考えたりする機会があるのが利点。納得がいかなければ一般入試でもう一度受験できるのも利点。
一般入試より高倍率になることもありうる
併願可能な大学なら、複数の大学を受験したり、推薦入試で合格校を確保した上で、一般入試でさらに高いレベルの大学を目指すこともできる。
関西エリアには併願可能な大学は多い。
これらの大学の推薦入試は、文系なら英語と国語の学科試験と書類審査で合否が決まるように、知識や技能を見る学力試験に重きをおくことが特徴である。
学力試験を重視するということは、一般入試の準備がそのまま推薦入試対策にもなるので、特別な対策が不要というメリットあるが、その分出願者も多い。
併願制の場合は出願基準が緩い場合も多く、多数の受験生が出願するので、一般入試より倍率が高くなるケースもあるので、推薦だから合格しやすいと考えないほうが良い。
18年度入試は、私立大学人気や定員管理の厳格化により、大規模総合大学(関関同立や産近甲龍大など)の合格者減が見込まれ、一般入試が厳しくなることが予測される。
その状況下で、志望する大学が推薦入試を実施していれば、入試の間口を広げる意味でも、出願資格があるのなら受験するのはありである。
推薦入試のデメリット
私立大の推薦入試の結果の大半は、年内に合格が決まるので、早くに受験勉強から解放されることがメリット。ただ、それがデメリットでもある。合格し、そこで羽を伸ばしすぎると将来にしっぺ返しをくらう。
英語や数学、理科などは勉強をやめると学力が落ちてしまいがちなので、合格しても一般入試の時期くらいまでは勉強の手を止めるべきではない。
なぜなら、4年後の就活の成否は大学1回生で決まるからである。
3回生や4回生の時に余裕をもって就活をするには、1~2回生の時に、より多くの単位をとっておく必要があり、合格後の勉強をおろそかにして1回生の時の単位を落とすと将来に大きく響くのである。
推薦入試やAO入試は自分の強みが評価され、合否が早く決まるメリットがある一方、「早く楽になりたい」という思いが勝ちすぎるとミスマッチの原因となる。
さらには合格後の勉強を怠れば将来に影を落とすことになる。
推薦入試やAO入試はメリットとデメリットが共存する入試であるということを意識して受験する必要がある。
(サンデー毎日・2017.10.15号より抜粋)
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